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 今回は、「ワンコイン(500円)健康診断」事業を行う川添高志さんのお話です。高校生の時に祖父の病気を通じて医療・介護問題に関心を持ち、看護師になりました。糖尿病の患者に接する中で、「安価に健康診断を受けられる仕組みを作れば、生活習慣病にかかる人を減らせるのではないか」と思い、予防医療の事業を始めたそうです。



予防医療の必要性を感じた看護師による「ワンコイン健康診断」事業

 JR中野駅近くにあるケアプロが始めた「ワンコイン健診」事業。血液検査により「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」の3項目それぞれを500円で検査する。指先または手の平からの自己採血をし、検査結果を3分以内に知ることができる(30分以内に、携帯サイトからも結果の確認が可能)。

 代表の川添高志さんは看護師として病院に勤務する中で、「安価で気軽な健康診断システム」の必要性を感じた。

 「生活習慣病予防の第一歩は、健康診断を受けることなのですが、フリーター、自営業者、主婦など、健診料が自己負担となる人は受けていないことも多い。長く健康診断を受けず、気づいた時には重度の糖尿病になっていた、なんてこともあります」

 病院で受ける健康診断には健康保険がきかない。会社に勤務していると定期的に健康診断を受けられるが、自発的に受けなければならないフリーター、自営業者、主婦等は、費用の高さから健診を避け、忙しさの中で忘れてしまうことも多い。「病気になることを防ぐため、身体の状態をセルフチェックすることが必要です」。ケアプロの顧客は、病気になる一歩手前の人たちである。

 病院や老人ホームの経営、製薬ビジネスなど、多岐にわたる医療ビジネス。川添さんが目指す事業は、ヘルスケアサービスのプロデュースだ。

 「既存の医療制度では解決できない問題が多く、行政や企業の健康保険組合ではできない事業があります。弊社は、医療業界に山積する課題を改善するためのサービスを開発していきたい。一方、医療ビジネスは、完成度の高いビジネスモデルを作らないと、収益が上がらずボランティア活動のようになってしまい、事業を継続できなくなるケースが多い。継続できるビジネスモデルを作らなければならないと思っています」

老人ホームでのボランティアで、医療・介護の問題に直面

 川添さんは、1982年生まれ。高校生のとき、祖父の闘病生活を通じて医療や老人介護問題に関心を持ち、老人ホームでボランティアを経験した。

 「当時、介護保険制度がスタートし、老人介護の現場を知りたいと思いました。実際に現場へ行くと、ショックなことが多かった。入浴介助の際、おじいさん約20人の入浴を介護スタッフ2人で行っていたのですが、石鹸の泡を洗い流さないままお風呂を上がり、体が濡れたままの状態で服を着せられている状態でした。人手が足りないのだと感じ、『介護スタッフの増員はできないのか』と聞くと、『スタッフの人数を増やすことは、経営的に難しい』と。その時に、日本の医療・介護の問題には医療制度が大きく関係することを知ったのです。日本の医療を変える必要があると思いました」

 そして医療の「現場」と「経営」両方の勉強をすることを決心した。(次ページへ続く)





著者プロフィール
滝岡 幸子(タキオカ サチコ)

経営コンサルタント・中小企業診断士、有限会社ポテンシャル 代表取締役、『ひとり起業塾』主宰。
大手外資系コンサルティング会社を経て独立。中小企業向けの経営コンサルティング業務を中心に、新規事業開発、企業研修、講演、各種メディアでの執筆連載など多方面で活躍中。小資本、低リスクで身軽に起業するノウハウを伝える「ひとり起業塾」を主宰。著書に『図解 ひとりではじめる起業・独立』(翔泳社)、『はじめよう!移動販売』(同文舘出版)がある。






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