あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。一年の計は元旦にあり。今月は、企業が頭を下げてでも欲しがる人材に成長するために、2010年をどうするかについて考えることにしましょう。
今回は最近、勝間対香山論争でも注目されている勝間和代さんをテーマにしつつ、イマドキのロールモデルについて考えてみたいと思います。学生たちの素朴な疑問などを紹介しつつ、リアルな場でのロールモデルを増やそうというメッセージを発信したいと思います。
就活生の素朴な疑問「就活マニュアルを否定する大人も、勝間本に洗脳されている」
仕事柄、さまざまな就活生のブログやTwitterアカウントを日常的にチェックしています。昨年のある日、気になるエントリー『女子大生就活研究所 ~幸せ就活日記~ 「就活生 VS かつまーΣ( ̄□ ̄)!」』を発見しました。
要約すると、ある方に「最近の若者はマニュアル化している。特に就活のマニュアル化はひどい」という指摘を受けたのですが、その方は実はカツマーで、缶コーヒーを買わないなどを実践しており、究極のマニュアル人間だと思う。勝間本に影響を受けた大人に学生の就活マニュアル志向を否定することはできないのでは?という内容です。
マニュアル本を参考した就活について、これまで著書や講演を通じて批判的な意見を展開してきました。採用担当をしていた頃は「私は納豆のように粘り強い人間です」など、マニュアル本そのままの自己PRをする学生が多数で、いかがなものかと思っていました。
そんな私も最近は態度を軟化させており、最初はマニュアルを参考するのは仕方がないなとも思っています。ビジネス書にしろ、文学にしろ、創作する際に何らかの影響を受けたものはあるはずです。ピアノを習うにしろ、結局、「バイエル」というマニュアル本から始まります
ただし、マニュアルは誰でも読んでいるものなので、真似するだけでは差別化できないのです。人事担当者として数々のマニュアル人間を面接してきましたが、その人の良さが殺されているのではないかと思った瞬間がよくありました。
前置きが長くなりましたが、「大人たちも勝間本というマニュアルに洗脳されていないか?」という問題提起にハッとさせられました。結局、大人たちも勝間本という型にハマっているのではないか、単に真似しているだけではないか、それを超えられていないのではないかということですね。
東大生は「効率=成功」という幻想が許せないと語った
言うまでもないですが、勝間和代さんは注目されております。ヒット番付では「勝間本」がランクイン。カツマーと呼ばれる、彼女のフォロアーも増えています。ある有名大学では勝間和代研究会というサークルまで立ちあがっているそうです。人気企業ランキング上位に入っている大手メーカーの人事部では、部内で勝間本が回し読みされています。お世話になっている某編集者も肉断食、ネイルサロン、ドラッカーのオーディオブックなどにチャレンジしたそうです。オーディオブックは途中で挫折したそうですが。
学生さんはどうとらえているのでしょうか。外資系企業に内定している東大の院生に取材をしたところ、こんなご意見をいただきました。
「勝間さんに関しては、効率化=成功という幻想を植え付けていることが許せない。それは成功なのでしょうか?何のために効率的に生きているのかの論拠も弱いと思います。手段と目的がいつの間にか入れ替わっているのですよ。英語の上達=成功、だから留学に行くべしと考える人間と同じ発想です。だから、違和感があるのです。自己啓発で大事な、個人にとっての原理・原則をどう見つめ直すかが分からないような気がするのです。『七つの習慣』を読んでしまった後では、陳腐に聞こえてくるのですよね。そして、勝間を支持してしまう日本の今の流れも悲しくなってしまいます」
コンサルティング会社出身の友人からはこんなメールをいただきました。
「努力すれば成功すると読者に錯覚させてしまう(あんなメッセージで錯覚してしまう読者にも責任があります)のが罪だと思うのと、35歳までに結婚できない人は大きなリスクを負っている(負け組である)というような言い切りが危険だと思うのです」
「AERA」の勝間対香山論争などをキッカケに、ますます勝間和代さんが注目されています。カツマーも多数いるものの、アンチ勝間も多数です。(次ページへ続く)



