働きながら中小企業診断士の試験に合格 その勉強法とは?
中小企業診断士の資格の勉強は、範囲が広くて挫折する人が多いという。それもそのはず、一次試験は、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理(オペレーション・マネジメント)、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目。1つの科目を専門的に勉強したことはあっても、すべてに通じている人は少ないだろう。さらに社会人が受験するとなれば、忙しい日々の中で勉強時間を捻出するのは並大抵のことではない。
しかし、会社員として働きながら見事合格し、さらにはその経験を活かして中小企業診断士の通信講座まで作ってしまった人がいる。「中小企業診断士 通勤講座」を運営する綾部貴淑さんだ。とはいえ綾部さんも二度の挫折を経験、三度目の正直で合格を勝ち取ったという。
「一次試験は、基本的な問題を落とさず6割正解できれば合格できます。その6割を確実に押さえ、二次試験にも活きる勉強法があるんです」と自信を持つ綾部さん。いまでは年間約1,000人が利用するという人気講座のもとになった、独自の勉強法についてお話をうかがった。
まず勉強法を確立したことが合格の秘訣

――まずは、中小企業診断士の資格に挑戦したきっかけを教えてください。
新卒で日本オラクルに入社、その後IAFコンサルティングに転職し、ITコンサルタントとして仕事をしていました。仕事柄、中小企業診断士の資格に関心を持ってはいました。とはいえ、資格がなければ仕事ができないわけでもないので、本気になれずじまいで。本格的に二度、勉強を始めたんですが、どちらも志なかばで挫折してしまいました。
一方で、昔からいずれは起業したいと思っていて、常に起業ネタを探していました。個人的な関心から勉強法を調べていたので、通信講座はどうかなと。アイディアを練っていくうち、ニーズの高い資格とあわせてビジネスにしようと思いつきました。となるとやはり、中小企業診断士の資格に挫折したままでは説得力に欠けますから、必死になったわけです。
――挫折してしまった2回と、合格した3回目の挑戦では何か変わりましたか?
まず1回目は、通信講座に申込みました。分厚いテキストが大量に届き、それを見たら「うわー、こんなにやらなきゃいけないんだ」と、気持ちが折れてしまいました。次に2回目は、専用のノートを作って勉強しました。かなりの大作になったんですが、そのスピードで勉強していてはとても間に合わず、こちらも失敗に終わりました。
ITコンサルタントなら、仕事の知識が活かせて有利だろうと思うかもしれませんが、そうでもありません。大学は理系でしたし、法律、経済、運営管理など、まったくはじめての科目もありました。ノートを作ったのも知識がない科目を、頭からきっちりと理解するためだったんです。
3回目の挑戦では、まず勉強法を決めました。採用したのは、マインドマップを自己流にアレンジした「学習マップ」です。そもそも中小企業診断士の試験科目は、経営全体を広く把握できるようになることが目的。すべての科目は、「経営」という軸から派生しているんです。
それを意識せず、ある科目のある部分だけ勉強していると、自分がどこにいるか見失ってしまうんです。森の中で1本の木しか見えていない状態ですね。学習マップを使えば、中心に「経営」を据えて、枝葉を伸ばしていくように知識を付け加えていけますから、迷わずにすむわけです。
この勉強法を実践したところ、約10ヵ月間の勉強でストレート合格できました。勉強時間は平日1~2時間程度、週末はどちらか1日だけ3~4時間程度。期間中に旅行にも行きましたし、ゆとりがありましたね。
――一次試験は選択式ですが、二次試験は筆記と口述とまったく試験のタイプが違います。どのような対策を?
口述試験は面接のようなものですから、筆記ができればほとんどパスできます。やっかいなのは筆記です。A4用紙複数枚に、ある企業の情報が記されています。そこから企業の現状を分析し、課題を見つけ出し、解決するための施策を考えて論述するわけです。論理的思考、問題解決能力が求められます。
ひたすら暗記する勉強法をとった場合、一次は乗りきれても、二次の筆記には太刀打ちできません。企業の課題に対し、どの知識をどのように使うか、応用力が問われます。学習マップは体系的に学べるので、二次試験にも役立ちました。一次試験が終わってから二次試験の対策をしたんですが、十分間に合いましたね。(次ページへ続く)





